岡本こどもクリニック
  Hibワクチンについて

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©日本外来小児科学会リーフレットより 


Hib(ヒブ)はおそろしい細菌です。

 Hibは、ヒトに髄膜炎や喉頭蓋炎(※1)を引き起こす細菌です。
正式には、インフルエンザ菌b型(ヘモフィルス・インフルエンザb型)ですが、一般的に
Hib<ヒブ>と呼ばれています。名前に菌がつくとおり細菌です。冬に流行するインフルエ
ンザは、インフルエンザウイルスAソ連型/A香港型/B型の感染としてよく知られて
いますが、細菌であるHibはまったくの別ものなのです。(※2)
Hibは、子どもの鼻の奥やノドにすんでいます

Hib髄膜炎

 髄膜は、大事な脳や背骨の中を通る脊髄をおおっている膜です。その中に細菌が
入りこんで炎症をおこすのが細菌性髄膜炎です。脳をつつむ大事な場所の感染症な
ので、生命に関わることや治っても難聴やけいれんなどの後遺症を残すことが少なく
ありません。でも、残念ながら、現在の医学では発熱早期での診断がとても難しいこ
とがわかっています。
 このようにおそろしい細菌性髄膜炎の3分の2はこの菌(Hib)が原因で起きています。
 最近Hibによる髄膜炎が増加し、5歳までのお子さんが全国で年間600人もこの菌に
よる髄膜炎にかかっていると推定されています。半数以上は0〜1歳のお子さんに集
中し、15〜20%のお子さんに後遺症が残り、5%のお子さんが死亡します。20人に1人が
亡くなる恐ろしい病気なのです。

Hibに薬が効かなくなっている!

 最近、ふつうに暮らしているみなさんのお子さんやお孫さんがもっている菌でも、
抗菌薬(抗生物質)の効きにくい耐性菌が増えています。髄膜炎を起こしたHib
80%が耐性菌に変化しています。そのため、髄膜炎の治療がとても難しくなってい
るのです。Hib髄膜炎が増えている、それも耐性菌による髄膜炎・・・・・・。これは
生命に関わる大問題です。

Hib髄膜炎はワクチンで防げます!

 今までHibワクチンがなかった日本では、4歳のお誕生日を迎える前のお子さんの
ほとんどが、Hibに対する抵抗力(抗体といいます)をもっていません。ふだんの生活
のなかでHibにさらされる機会はいくらでもありますが、乳幼児では自然には抗体が
できないのです。でもご安心ください。ワクチンには抗体をつくらせるための特別な
工夫があって、ワクチンをうけたお子さんがHibによる重症の病気にかからないこと
は実証済みです。乳幼児では、ワクチンがHib髄膜炎を防ぐ唯一の方法なのです。

世界のHibワクチン

 1990年代にはいって欧米を中心にHibワクチンが導入され、1998年、WHO(世界
保健機関)は乳児への定期接種を推奨する声明を出しました。現在、アジアやアフリ
カの国々を含む100カ国以上で導入されて、90カ国以上で定期接種プログラムに組
み込まれています。その効果は劇的です。このようにすでに定期接種をしている国
では、Hib髄膜炎が過去の病気となりました。

すべての赤ちゃんにHibワクチンを(※3)

 WHOが提案しているように、国や自治体の責任で誰もが無料でうけられる「定期
接種」としてHibワクチンが認可されるように、日本外来小児科学会では国に強く要
望しています。多くの国から消えた病気で日本の子どもたちが苦しんでいる現実を
かえなければなりません。

※1:Hib喉頭蓋炎

 喉頭蓋(こうとうがい)はものを飲み込むときにむせないよう気道をふさぐ「ふた」のようなものです。
そこが、Hibの感染で急激にはれあがると、高熱に加え息が吸えなくなりよだれが止まらなくなります。
そして数時間で窒息してしまうこともあります。それが喉頭蓋炎です。髄膜炎よりさらにまれですが、
死亡率が高いために大変恐れられています。これもワクチンで防げるのです。
※2:インフルエンザ菌b型(Hib:ヒブ)にはなぜ「インフルエンザ」という名前がついているの?

 1890年にインフルエンザが流行し、患者の痰から見つかった菌がこのインフルエンザ菌でした。
インフルエンザはウイルスが原因で菌ではありません。しかし、当時ウイルスの存在自体知られてお
らず、たまたま一部の患者から見つかった菌がインフルエンザの原因と信じられたためです。インフ
ルエンザ菌はインフルエンザとは無関係なのですが、そういう歴史があって、今もこの名前で呼ばれ
ているのです。
※3:Hibワクチンの実際

Hibワクチンの接種の時期と回数は三種混合(DPT)と同じです。1歳での追加接種も含めて合計4回
接種します。たとえば三種混合と同時に反対の腕に接種します。これを同時接種といいますが、Hib
ワクチンを導入している国では普通に行われている方法です。副反応として三種混合のときのような
接種部分の腫れはありますが、その他の副反応は心配ありません。

©日本外来小児科学会リーフレットより

Hibワクチンとは(2)も合わせてご覧ください。